現代苦悩は皆就着より起これり。執着は名利の両途なり。学校会社階級等は、皆執着の謬りなり。名利を西洋式に組織したるものなり。一度学校会社階級に入れば、人生本来の大道忽然として迷失し、営々として唯その奴隷となる。少年の学校病、青年の会社病、階級の闘争病。無意識の課目に隷従して、死に至るも悔いず。憐れむべきの迷信なり。学校を学ばず、会社に勤めず、階級を争わずして、日々無事に一大事を究明する者ありといわば、今の世で恐らく信じ難かるべし。されども、そは現実の存在なり。釈迦牟尼世尊の教団、和合僧海の生活是なり。
(昭和5年12月7日 西天開教日誌)