日蓮宗がいつも弘まらなかった原因は、檀林なんかを作りまして、天台の教学等を一生懸命に勉強して一生暮らしました。これが悪かったんです。今日でも大崎を出て博士になりました人はあっても、その学問で、仏法が、御題目が弘まったなんて言う話を聞きません。御祖師様の御主旨、法華経を弘めた者は、ただ末法の要法として残された南無妙法蓮華経を唱うる人が弘めました。
私も大崎を出まして、他宗の留学も十年来いたしましたが、御題目を弘めるという一段に到達した時、全部捨てました。
太鼓一丁持ってフラフラと歩き廻ることをしました。この時に、寺を建てたいと思うて歩き廻りません。ただ御題目を唱えて歩き廻りました。「其の人、世間に行ずる」ー「行ずる」なんていうから解らんけど。「行進する」ことであります。
本化地涌の菩薩、その上首、四大菩薩。皆行進しております。上行、無辺行、浄行、安立行。安立行まで歩きます。歩かねばいかん。「行進」のその文字。それで私の名も先師から伝わったように「行」の字をとって、出家した時に「行勝」と名うぃ頂きました。「行勝」で今まで通りました。
歩きました功徳、御題目を唱えた功徳、他のことは何もしませんが、それが一閻浮提に広まりました。
日本の仏教、天台、真言、一番多いのは念仏,禅、今日世界に弘まりません。世界を動かしておる日本の仏法=南無妙法蓮華経 。この一言であります。
南無妙法蓮華経と唱えてまわったお弟子方が、一夜泊まった町が、平和都市の宣言をしております。それがいくつもあります。もう一つは、お弟子がたが泊まった町が世界平和の日というのを決めました。
世界平和の記念日、それは日本山のお弟子が歩いて泊まった日だという、それが幾つもの町で出来ております。世界にこういう不思議なことがありましょうか。何も講釈したわけでもありません。ただ玄題旗を立てて太鼓を撃ってまわった、宿をもらっただけであります。
「其の人、世間に行じて、能く衆生の闇を滅す」ーこの経文が実証せられました。 (昭和五十七年八月六日 広島道場御誕生会)