出家の功徳

法華経の中に、世の中の闇を照らすために、御題目=南無妙法蓮華経を伝える人が出るという御経文があります。日蓮大聖人様は、この経文を御覧なさって、「この文の心、よくよく案じさせ給え」と言って深く考えなさいました。法華経が、現実の我が身によって社会に生きていくわけであります。その仕事をするには、やはり出家という生活が一番思うように行きます。
善いことをしようと思えば、誰にもはばからずにできます。家庭があれば、親を思い、子を思い、それからまた、生活のことを考えねばならない。ただ善いことだけをするには、出家は生活の問題もなければ、家庭の問題もありません。どんなにでも、心のままに善いことができます。これが出家の功徳であります。
今、日本山にいく名かのお弟子がおりますが、この人々が世界に足跡を残して、やがて来るべき世界平和の基礎を作りつつあります。そういうことを世間が認めました。善いことでありましょう。末法という、世間から仏法がなくなった時に、仏法の中に入って、困難を排除して法華経を弘めていく。一人一人つかまえて説教しなくても、この仕事そのものが、世界を動かして行く基礎になります。こういうことをするのが、我々日蓮大聖人様のお弟子のお仕事であります。
(昭和五十七年八月六日 広島道場御誕生会)


桃尾の滝

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