不軽菩薩

【毒鼓】 折伏
教主釈尊出世の本懐は、人間の社会生活を平和安穏ならしめんがために、人間の振る舞いを教訓遊ばされたものである。人間の振る舞いに善悪の大網を立て、善を修め悪を止むることを誓わせられた、これがあすなわち仏法の戒律である。戒律は出家沙門だけに課せられたる戒律もあれば、また国王大臣、一般庶民に課せられたる戒律もある。
戒律は外相の規則であるから特に内心の散乱、放恣を制止せんがために、禅定の法門を開かれた。禅定によって到達する所の人生向上の道程を示された。これが智慧の法門である。
分別すえば、戒、定、慧の三学もまた。信心の一念から発足し、住地し、究境する。
一切衆生皆まさに仏と成る。これが不軽菩薩の信心であった。しかもそれが不軽菩薩の智慧であった。但行礼拝は不軽菩薩の戒法である。
「我れ深く汝らを敬う、」と云うて十四字の経文は不軽菩薩の念提する禅定工夫であった。

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