三大秘法の本尊
10月6日には王舎城の宝塔仏殿に、日本のご本尊様をお祀りします。私はランカにおり、王舎城の仏殿建立の噂は聞きましたが、自分では行って見ませんでした。ところがお弟子様がうっかりして、ご本尊をネパールの仏師に頼み鋳造しました。型は大きいのですけれども、それは世間にありふれた本尊であります。日蓮大聖人様が三大秘法の本尊と定められた本尊ではありません。
正像二千年のお釈迦様、それでご本尊を今度は日本で造ることにしました。幸いに先師先徳の造られた本尊が京都の立本寺にありましたので、それを写してお祀りすることに致しました。二佛、釈迦・多宝が座を並べられて、中央に南無妙法蓮華経と入った宝塔がある。この本尊の信心の意義は将来仏教学者が研究せねばならない課題と思います。
王舎城では日本の仏教大学の建をてる。最初のうちは竹林精舎の仏殿で講義を開く。そして多宝山頂には宝塔様、仏殿があり、そこに日本の仏教のご本尊がまつられることになります。
皆様は簡単に考えるが、日本山の型、日蓮宗の型を先師が決められたものをよく心得ておかなあければなりません。
でまかせに、そこらのお店にあったからと言ってお祀りしておくわけにはいきません。
お釈迦様でありますからお祀りしても良いのですけれども日蓮大聖人様のご法門を新しく西天に広めるときには、今まであったもので間に合わせるということではいけません。「西天開教」ということ、日本の仏法が月氏に還るという意味、そこがわからないもので
すから、寺を建てればよいと思って建てます。それでご本尊という問題は、三大秘法と仰せられてありますけれども、ちっともわかりません。何が三大秘法か解らない。それで修行の方も解らなくなります。
ここを取り違えますと、三大秘法・ご本尊・戒壇がわからなくなる。その良い例が富士の大石寺の創価学会員の仏殿であります。
日蓮大聖人様の戒壇だと言いふらして作り上げた。懺悔滅罪の戒法のみならず、懺悔滅罪に誰一人行きません。そんなところに建物だけ建てても、戒壇は建物ではない。 (1979年9月28日)
三大秘法の本尊