人間の建て直し

法話 天鼓 昭和六十年 二月号
闇が光を嫌うが如く、病が栄養を受け付けないが如く、悪世の衆生は、成仏の正法を信受しない。悪世の衆生は心の歓喜、平和は持たない代わりに憎悪心、憤激心、猜疑心などからあ生ずる大瞋恚心を持つ、大瞋恚心の社会に爆発せるものが階級闘争であり、世界戦争である。此の瞋恚心は衆生心中の奥底から起こる。即ち心から憎むのである。此の大瞋恚心をおこさせるのに、物質や宣伝を以ってせず。但だ南無妙法連華経の正法を以ってする。衆生の心の固い殻を破るから折伏とも云う。衆生がこれを喜び受け取らないところから而強毒之とも云う。これを八識心田の下種と云う。蒔かれた種は必ず生える。此の衆生も南無妙法連華経によって成仏すべき時が来る、即ち人間の建て直しである。

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