真実の仏法

真実の仏法
殺人破壊戦争行為は世法であります。原水爆核兵器も、また世法であります。
貧困も搾取も、また世法であります。条約も法律も、また世法であります。
かくのごときらの世法は、一切衆生に不断の脅威を与え、結句、人類を悲惨なる障害と横死とに陥れるものであります。
かくのごとき世法の実相、実性、実果を深く知って、これを解脱せしめ、人類に畏れなき生活を与えんと欲する運動が、当世、いわゆる世界平和運動であります。
戦争行為、核兵器、諸種の戦争条約等、一切を破棄する平和運動もまた世法であります。この平和運動をたとえ共産主義者が行っても、かつまた自由主義者が行っても、これこそ真実の仏法であります。
平和運動の中にも種々の宗教者、または哲学者があります。これらの宗教者、哲学者等が、おのおの拠り所とする一切世間の教書は皆、是れ仏説にして、外道の説ではありませぬ。
当世の平和運動を世法としてこれに与せず、みずから独り仏法者として、各宗教宗派の形骸に拘泥し、或いは殿堂に在って経典を読誦するとも、或いは市中に在って寺院経営するとも、それらは真の仏弟子に非ず、真の仏法を行ずる者ではありません。一切世間の苦悩を知らず、人間全滅の危険を知らざる者は仏法ではありませぬ。 (1965年頃)


核廃絶の御祈念 ニューヨークの国連本部前広場1982年

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