この一念が必ず世界をして平和ならしめます。

「アメリカに唆されている」 昭和四十一年三月十九日 茨城県百里原道場

いま日本国の政府がアメリカに唆されまして、終戦後一度武器をすてて今後の世界情勢は武力や戦争で解決すべきではないから、一切話し合いでどんな紛争も片付けようといって、武力を捨てて戦争を放棄しましたが、アメリカは勝ちに乗じて、世界を支配する気分を起こしました。
それでまず日本をその足場にして、それから朝鮮、タイを経て大陸に向かって支配力を進めようとしまして、朝鮮戦争を起しましたが、それがうまく行かなかったので、これは唯足場に日本を使うだけではいかないから、日本の青年を使って再び戦争に立たせようということに腹を変えました。
これは始めは警察予備隊なんていうておりました、遂に自衛隊という軍隊に作り上げてしまいました。そうして自衛隊が今度は飛行基地まで作って、立派な戦闘部隊が出来ました。これは日本国を守りますよりは、アメリカがアジア支配の上に日本の兵隊を使うつもりであります。この間、議会で佐藤栄作が沖縄が若し攻撃されたならば、我が同胞の仲間が敵の攻撃をうけたら大変だから、日本も自衛隊を派遣して、応戦せねばならんと言い出しました。これは社会党が取り消すように申し込みましたが、取り消さないつまりでおりましたところ、どうもあんまり受けが良くないので、遂にそういう事は実は出来ないのだという話にしました。

「クーデターを起さすものは誰か」

この軍隊が出来ればやがて戦争を起し、戦争になります。戦争を起すのみならず、今度軍隊は唯ぶらぶら遊んではおりません、権力を掌握します。その権力を握る為には又軍隊が必要になります。それでアメリカが日本に軍隊を作らせて、その軍隊の幹部はアメリカが教育しております。
そのアメリカの教育した軍隊が、アジアでもアフリカでも、クーデターと申しますが政府をひっくり返して、政権を取っております。政権を取ればアメリカが金を貸し、それから武器を貸してやります。そういうものは皆アメリカの奴隷であります。この世界中をアメリカの奴隷にしょうとして、まず日本国をその足場に使っております。その一つがこの百里原になりました。
戦争勢力に抵抗する日本民衆の平和の祈りがこの道場となりました。お寺は小さくても責任は重いのであります。

「砂川基地の不思議な事故」

ほかにも東京の付近に砂川という処がありますが、そこにも畑の中に小さい小屋を建てまして、そこで平和祈念のご修行をしております。今日までその道場はまだ動きませんが、不思議な事に、そこに石の宝塔様を建てましたときに。防衛庁は建ててはいかないの、取り壊すのと言って居りましたが、その矢先に向こうの飛行機が何か事故を起しましてつまずきました。
それから最近、砂川の裁判でありますが、いよいよ無茶苦茶で、飛行場が出来たことは憲法に抵触しないといってどんどん拡張工事をしております。その拡張工事に日本山の道場が邪魔になるというので、いろいろと取り壊しの接取計画をしておりますが、この間、又大型輸送機が危なくつまずきまして、飛び立つ飛行機が飛び立ち損ひました。大した被害はありませんでした。それで宝塔様を壊すことも無しにお寺も壊さず、中で庵主さんがご祈念いたしておりましたが何事も別に無くて、飛行機だけの事故で終わりました。
もう二度ありました。三度あるかも知れませんが、これは本当に命がけでおらねばなりません。

「祈りが勝てば基地拡張は食い止められる」

今度の飛行機事故はどんな事になるか解かりませんが、最後どんなになりましても、日本国の平和を守る為に、そうして世界平和をいいますが、それは理屈ではいかないのであります。この世界の平和を守る上の大きい力になります。
砂川にしてもその通り。この敵を殺す戦争の力の下に、これを食い止める道を考えていきます。
平和の手段でこれを求めます。是非に人殺しをして、守ったり勝ったりして貰わなくてもよい。
世界のどの国とも、どこの人とも共に仲良く暮らすように祈っていきます。この祈りが勝てば飛行場の拡張も食い止められましょう。若しこの祈りが負けたとき、世界中も又日本もあの広島、長崎の悲惨な姿になってしまいます。

「この一念が世界を平和ならしめる」

小さいからといって侮れません。この一念は神様仏様の三世諸仏のお心に叶い、一切衆生の願いを代表しておるものでありますから、このご草庵が小さくても、此処でお太鼓を撃つ人が少なくても、この祈る一念が必ず世界平和の祈りを叶えて行くのであります。
日蓮大聖人様が佐渡の島で一間四面の荒れ堂で暮らされながら、然しやがて日本国一同に南無妙法蓮華経と唱えることは、大地を的として矢を放つより確かだと信ぜられておりましたが、そのお志を私らも継ぎまして、印度に渡って印度の独立もほんの三、四名のお弟子と一緒に御祈念いたしましたが、不思議として印度の独立を助けました。
ここにこんな軍事基地や政府を前にし、アメリカを前にして、そうして最新式の武装をした軍隊を前に置いて、あなた方の仕事はやめなさい。こちらの方で世界平和日本の平和を守りましょうと声高らかにお祈りをいたします。これが叶えば日本国は安全であります。これは叶わせねばなりません。
人数が少なくても、それからお堂が小さくてもそんなことは問題ではありません。この一念が必ず世界の平和を作らねばならんと祈る、この一念が必ず世界をして平和ならしめて行きます。
南無妙法連華経

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